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第29回 持続皮下注射について―内服ができなくなっても大丈夫―

2014-04-03

 病気の状態によっては、患者さんが内服ができなくなることがあります。例えば、腸閉塞で嘔吐する様になったり、衰弱が強くなって嚥下(飲み込み)ができなくなるような場合です。以前は、この様な状況になったら患者さんは自宅で過ごすことはできなくなり、注射でお薬を投与するために入院せざるを得なくなったのです。しかし、現在は持続皮下注射という方法があり、自宅でも比較的簡便に注射を持続的に投与できる様になりました。

 具体的に言うと、例えばモルヒネの様な医療用麻薬が内服薬で投与していた場合、簡単に持続皮下注射に変更することが可能です。持続皮下注射に使用する機械を写真で示しますが(図1)、筆箱くらいの大きさで充電用の電池で動きますので、患者さんは簡単に携帯できます。こうすることにより患者さんには一定量の薬剤を持続的に投与することが可能です。さらに、痛みが悪化した場合には、頓服の痛み止めを飲むのと同じ感覚で、ポンプに附属しているボタン(図2)を押すと一定量の薬剤が皮下注射されます。

院長 前野 宏

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(図1)テルモ社製テルフュージョンポンプ

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(図2)同ポンプに附属するレスキュー(頓用)用ボタン

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