第42回 退院前カンファレンス
2014-05-21
末期がん患者さんが治療病院から自宅に帰る際に在宅ホスピスチームと引き継ぎを行います。これを「退院前(あるいは退院時)カンファレンス」と言います。
Q1.退院前カンファレンスにはどのような職種が集まるのですか?
退院前カンファレンスは患者さんの退院が決まった段階で病院で開催されます。退院前カンファレンスには、病院側から主治医、病棟看護師、退院調整看護師(あるいはソーシャルワーカー)、緩和ケアチームのスタッフなどが参加します。在宅ホスピスチームとしては、在支診の医師(これからの主治医)、訪問看護ステーションの看護師、ケアマネ、ソーシャルワーカーなど(場合によってはヘルパーなど)が参加します。
Q2.退院前カンファレンスの目的は何ですか?
退院前カンファレンスの目的は
①病院から在宅チームへの医療情報などの伝達
②在宅チームを患者・家族へ紹介
退院前カンファレンスでは医療情報ばかりではなく、家族の情報、患者の性格、人生観など、そして家屋状況等の情報も重要です。また、再入院が必要になった場合にどの病院に入院するかをあらかじめ決めておきます。
また、病院の主治医から直接患者、家族に在宅ホスピスのメンバーを紹介して頂きます。もし時間がある場合には、その後患者あるいは家族と在宅ホスピスのメンバーとが面談をして、具体的な在宅ホスピスの内容や制度のことを説明する場合があります。
Q3.退院前カンファレンスの意義は何ですか?
患者、家族は家には帰りたいのですが、慣れ親しんだ病院から離れ、知らないスタッフに身を委ねることに不安を持っています。事前に在宅ホスピスのスタッフを紹介して頂くことは安心感に繋がるのです。
また、今後、病院と地域の連携がスムースになるためにこのような退院前カンファレンスを繰り返し行うことを通して、病院チームと在宅チームの良好な関係が作られてゆくという意義もあります。
院長 前野 宏
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